株式会社アイエンター
株式会社アイエンター
iPad無人受付案内システム「I-FACE」は、2012年から提供を開始し、導入企業700社、販売台数1,000台に成長するアイエンターのプロダクトですが、時代の変化と共に多様化するユーザーニーズに対応できていなかったことが原因で、競合負けやクレーム、解約数の増加などの問題が発生していました。そのため、I-FACEを提供する価値から見直し、ユーザー体験の大幅改善を図るリニューアルを実施しました。
クレームや解約数の増加という大きな問題を迅速に解決する必要があったことや、収益の最大化やプロダクト戦略など経営的な部分を見直す必要があったことから、デザイナーやプロダクトセールス関係者だけでなく、経営層や開発責任者もプロジェクトに参加しました。そのため、5日間という短い期間でサービスやプロダクトのアイデアを迅速に検証するプログラム「デザインスプリント」を採用し、I-FACEの現状課題の洗い出しから、課題解決策のアイデア抽出、新しい価値の決定、アイデアの具現化およびユーザーテストによるアイデアの検証まで実施しています。
デザインスプリントは、5日間という短い期間でサービスやプロダクトに対するアイデアを検証するプログラムです。プロジェクトの早い段階で実施することで、多大な時間と費用を投じた後に、市場のニーズにマッチしていないというリスクを減らすことができます。
I-FACE導入企業様のご協力をいただき、I-FACEを実際に導入している現場で30名以上にインタビューを実施し、その情報をもとに、「Day1(理解):課題の把握」から、「Day2(発散):課題解決策のアイデア出し」、「Day3(決定):どの解決策を検証するかの決定」、「Day4(試作):プロトタイプ作成」、「Day5(検証):ユーザーテスト」の流れでデザインスプリントを進めました。
事前に集めた現場の声(ニーズや課題)をもとにペルソナ、カスタマージャーニーマップを作成し、アイエンターが感じていたI-FACEに対する課題を抽出後、プロジェクトメンバー全員で今回のリニューアルで取り組むべき課題を共有。
バリュープロポジションキャンバスを用いて、ユーザーの抱える課題と現状のI-FACEを比較し、ズレが生じている部分を可視化、ユーザー課題に対する解決策を出しながら、ユーザーに提供できるI-FACEの価値を設計。
縦軸「ビジネスへの影響度」、横軸「ユーザーへの影響度」のアサンプションマップを用いて、バリュープロポジションキャンバスで抽出した課題に対して、ユーザー視点とビジネス視点の両方で考察し、優先順位を決定。
前工程の結果を踏まえ設定したI-FACEの価値「変化とスピード感」を念頭に、設計に落とし込みプロトタイプを作成。
I-FACE導入企業様にも参加いただき、ユーザーテストを実施。プロジェクトメンバー全員でユーザーテストの様子を観察し、点数化したテスト結果をもとに機能を選定、改修内容をまとめ、デザイン設計に反映。
デザインスプリントを実施している中で決定したI-FACEの提供価値「変化とスピード感」をベースに、来訪客の受付から担当者呼び出しまでの体験を迅速化し、全体のユーザー体験も大きく改善した結果、リリース後は問い合わせ数が12倍に増加しました。また、導入企業様からは「使いやすい、運用しやすい」と高評価をいただいています。