~地産地消の推進~
下松市栽培漁業センター
旗手様
~地産地消の推進~
下松市栽培漁業センター
旗手様
魚介類を中間育成し放流することを主たる目的として昭和58年に設立された下松市栽培漁業センター。養殖技術の調査・研究を行い、水産資源を安定して供給できる環境づくりにも取り組んでいます。人が測る手間を省きながら、より詳細なデータを解析し育成技術の高度化を目指すため、アイエンターの「IoT水質センサー」を導入しました。
導入の経緯、導入後の効果や今後実現したいことなどをお伺いしています。
下松市栽培漁業センターでは、ヒラメとトラフグの養殖を行っています。
10年前から水温の測定を手作業で行ってきましたが、水温だけでなく、DO(溶存酸素)の値や塩分濃度を自動で24時間測定し、そのデータを蓄積することでより高度な育成方法を見つけ出していきたいと考え、導入を検討しました。
水温は午前と午後で測定を行っており、Excelへの転記をしていましたが、給餌後などに変化するDOは校正の手間もあり、あまり測定していませんでした。
また、種苗生産では産卵をさせるために水温やDOだけでなく、塩分濃度が密に関わってきますがこちらも測定していませんでした。
より効率的に産卵できる方法を確立できれば生産性が上がるので、水温だけでなく、DOや塩分濃度も測定し、適正な条件を見つける必要がありました。
まず、手動ではなく自動で計測ができるので、測定する作業時間を削減できました。クラウドへデータが蓄積されるので、Excelへの転記も不要です。
また、DOや塩分濃度の測定も可能となったので、魚のストレス等の健康状態と水質の関係性を分析していく予定です。
魚は夏になりDOが不足すると斃死するので、閾値を設定して通知する機能や、生簀の状態をスマホで確認できる機能は、魚のストレス軽減に活用でき、育成状況向上や品質向上に繋がると考えています。
養殖は餌代、設備維持費の増大、疾病の発生などによりコストが上がっているのに、魚の単価は上がっていないのが現状です。
下松市栽培漁業センターでは、早くから漁業者とともに「つくり育てる漁業」を実践しており、これまでも従来の方法より2か月早く出荷できる育成方法を確立し、漁業者に技術を提供しています。
今後は、データを活用した育成方法の確立や作業効率化に向けて取り組みを進め、より早く大きく育てることで育成コストの削減や付加価値向上を目指します。
Web画面のデザインはとても見やすいです。
自動で作成されたグラフがあるのでぱっと見て上昇しているのか、下降しているのかを判断できるのが良いですね。
操作マニュアルもわかりやすく、不明点も教えていただけるので、アフターフォローが良いのは安心です。
筐体は小さい方だと思います。設置していても邪魔だと感じたことはありません。
メンテナンスを定期的にしなくてはいけませんが、正式なデータが欲しいので手間でも行っていく予定です。
今は、月に1回、魚体のサイズや体重を測定していますが、手作業となりますので、アイエンターさんの手を触れずに魚の育成状態を正確に把握できる「AI魚体サイズ測定カメラ」は導入したいです。
また、斃死して上がってきた魚を認識しても仕方がないので、病気になる前に察知する何かがあれば良いですね。
下松市栽培漁業センターでは、現在、オニオコゼ・キジハタ・マコガレイ・ヒラメ・トラフグ・カサゴ・クルマエビ・ガザミ・アカガイ・アワビ・アイナメ・ウマヅラハギの12魚種を取り扱っています。
養殖生産されたヒラメの90%は笠戸島内で、トラフグはほぼすべてが下松市内で消費され、地域観光資源として欠かせない存在になっています。
今後は、養殖マサバや養殖マアジもブランド化し、魚種を増やして、くだまつの漁業者の方の収入を増やしたいと考えています。
また、今までの経験と知識を活かしながら、IT技術も取り入れ、「つくり育てる漁業」として魚の種苗生産から放流、漁獲まで改善し、漁獲量の増加につなげていきたいと考えています。
そして、将来にわたり持続的に発展するくだまつの漁業を目指していきます。